今年の夏期休暇も、皆様にご迷惑をおかけすることを承知で取らせていただきました。
その前半の3日間を使って、「雪とお花畑と360度の絶景」夏山登山の一番人気「白馬岳(しろうまだけ)」に行ってまいりました。 白馬岳のある後立山連峰(うしろたてやまれんぽう)はその形に特徴があり、東側は急峻になっているため登山口も頂上に近く、数時間で頂上に到着することができるため、ほとんどの登山者は東側から山に入ります。一方西側はなだらかなぶん山奥深く、また登山口の標高も低いため最低でも丸一日かかってしまい人気がありません。しかし、白馬岳の西側に延びる清水尾根(しょうずおね)の「お花畑」は日本一だとのこと、ひと気のない静かな日本一のお花畑に浸りたく、訪ねて参りました。その登山口は「祖母谷(ばばだに)温泉」というナイスな温泉で、黒部のトロッコ電車の終点駅から歩いてすぐですが、祖母谷温泉までもこだわって山を越えて入ってみました。白馬岳の南に唐松岳という山があり、ここから東に延びる尾根はスキーで有名な八方尾根です。入山はその下部でした。 1日目、ロープウェイやリフトが動き始める前の3時半に出発し、八方尾根を登り、唐松岳を超え、餓鬼山という山も越え、11時間歩き続け祖母谷温泉にやっと下り降りました。この時点で両脚はぱんぱん、全身筋肉痛でした。しかしゆっくりと温泉につかり、ガッツリと食べ、2日目に清水尾根の長い登りに入りました。1日目の下りルート、2日目の登りのルートを使った登山者は私以外に1人もいませんでした。 清水尾根を下りに使われ、すれ違った登山者は3パーティーほどありましたが、それ以外に会った動物といえば雷鳥の親子、蛙に蛇、多数の蝶々とトンボ、無数の虫(こいつが最悪)でした。後はサルの泣き声くらいでしょうか。お会いしませんでしたが、多くのクマも生息しているようです。ヒトと会わないぶん山との一体感が実感でき、これぞ山そのもの、山登りの魅力と思いました。ちょっと怪我しても誰も通りかからず、単独行のため助けてもらえない緊張感もあります。なんといっても、とてつもなくえらい下り、登りが延々と続きます。1日目のオーバーワークがたたり、2日目は予定の2時間オーバー、12時間もかかり、疲れすぎてお花畑の美しさにあまり浸ることができませんでしたが、このルートは雲上の楽園、別世界でした。このように緊張感、疲労感、感動、充実感たっぷりの山行がまたできました。(感謝)
到着した白馬岳の頂上の小屋には1000人の登山者が泊まっており、とてもにぎやかでした・・・・・