ひとりの大きな登山家が亡くなりました。原 真先生です。小生が開業する前に勤めていた原病院のオーナーで外科医でもありました。原先生は登山家、それに対し小生はただの山好き者でまったく人種は異なり小生がものを申すのもおこがましいですが、原先生の発想は実にユニーク、独創的で、山に対する考えを語るときは瞳がいつも輝いておられたことを思い出します。ヒマラヤなど高山への速攻登山については結果も出されており異論のないところであり、また、ヒマラヤへ行くと滞在しているだけで体重が減少する、この上ないダイエット方法だと力説しておられました。そして自論に確信を持たれてからの行動は実にすばやく、周りの方のサポートも大変だったと推察します。また、先生のすばらしいところは、ご自分の考えを押し付けない、いつも淡々とされているところであり、来るものは拒まず、去るものは追わずといったところでしょうか。小生も12~3年前にヒマラヤへ連れて行っていただき、約2週間一緒に歩き回り、いろいろなことを教えていただきました。貴重なお話を伺い、すばらしい経験をさせていただき感謝ばかりです。 (このホームページの表紙はそのときに撮影したサガルマータ〔英名:エベレストと〕ローツェ、右の特徴ある山は、アマダブラムです。)
3月20日に亡くなられたそうですが、その事実も先日の新聞記事で知った具合です。ご本人の遺志で葬儀は行わなかったようですが、誰にもお知らせしないことなど原先生の御遺志として理解できてしまうことがより残念に思えます。
山の仲間が亡くなると、無性に山に入りたくなります。そこで昨日は鈴鹿の御在所岳に登ってきました。世界的登山家の弔い山行としてはちっちゃな山かもしれませんが、朝10時には帰宅したかったので御在所へ「速攻登山」をしてまいりました。原先生のことをいろいろ考え、思い出しながらただひたすらに登りました。汗と一緒にいやな気持ちが放出された気がします。 写真は、登山道脇に咲いてい「つつじ」のような花です。
弔い山行といえば、これまで、後輩(大学時代に慕ってくれていた高校三年生)、先輩(山の知識に加え人間関係の深さを教えていただいた大先輩)、そして同僚(一年後輩ですが、小生のもっとも尊敬する後輩でした)、そして原先生と・・・・4回目。そのたびに「最も楽しく生きよう。」と思うようにしています。