下痢、嘔吐の患者さんが急速に増えています
ノロウィルス感染を考えないといけないような激しい下痢、嘔吐の患者さんが増えています。突然、消化器症状(嘔気、頻回の嘔吐、頻回の水様性の下痢など)が出現し、患者さんは皆さんとてもつらそうです。ただ、ノロウィルス自体をそれほど神経質に恐れる事はないと思います。カキにいるウィルスで、「カキにあたった」と同じこと、下痢嘔吐がつらいですが、出る物が出てしまったら治っていきます。治療するお薬も存在しません。食餌の量や質をぐんと落として、あるいは絶(飲)食にして安静にしていれば一般的には軽快していくと思われます。(脱水には注意してください。)ではいったい何がノロウィルスの問題なのでしょうか、症状が強いこともありますが、それ以上に、ほんの少量のウィルスが体内に入っても発症してしまう、うつってしまうということです。お母さんがトイレ掃除をすればどんなに一生懸命手を洗っても手についたノロウィルスはゼロになりません。その手でお料理をすれば、ご家族に「犠牲者」が出るわけです。もし食物を扱う職場であれば大問題です。
この時期に嘔吐下痢などの症状があれば、あまり重症感がなくても「ノロウィルス」感染を疑ってみて損はないと思います。もちろん手洗いは厳重にされたほうがいいですが(アルコール消毒は無効)、それだけではなく、おトイレなどのお掃除の時には使い捨ての手袋をする。具合の悪い方とはタオルなどを分ける。お食事には全て火を通しておく。など心がけましょう。
「胃腸カゼだわ」ではなく「ノロウィルスかも」、と。
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